大切な人が亡くなると、葬儀・告別式を執り行い、その後も初七日法要を行い…と、四十九日を迎えるまで慌しく過ぎていきます。そのあとに控える大切な儀式として、納骨式があります。

納骨式は遺族や親族、故人と縁のある人たちにとって、ある種の大きな区切りともいえる儀式です。形態は時代の流れによって変わってきた部分もありますが、基本的には施主(葬儀告別式で喪主を務めた人)・遺族・親族を中心に行います。

「身内だけだからそんな堅苦しい形じゃなくても…」という声を耳にすることもあるのですが、ここはやはり先にも申し上げましたように大きな区切りの儀式であるということを踏まえ、近親者のみといえどもしっかりとした挨拶を行う心の準備が必要です。そこで、ここでは施主の挨拶、また施主以外の人が行う場合の挨拶の簡単な例文を紹介します。この例文を下地にしながら、挨拶を行う方がご自身のお気持ちを文章に重ね合わせていただければと思います。

四十九日後だけじゃない、納骨式を行う日

冒頭に、四十九日を迎えた後(いわゆる忌明け)に納骨式を行うという旨のことを記しましたが、近年はご当家の事情によって式の日取りが変わってきています。

例えば、葬儀告別式の中で初七日法要から四十九日法要までを行い、火葬や精進落としを終えた後にそのまま寺院や墓園へ向かって行うといった流れもあります。中には、火葬を終えてすぐに納骨式を行う当家もあります。施主他遺族親族が故人の地元に住んでいない、または施主自身も高齢であったりなんらかの問題があって納骨式自体を行うのが難しいなど様々な事情がありますので、そういった事情に合わせて式の日取りを決めることになります。

そうなると挨拶の内容も若干変わってきますので、納骨式の段取りを決める際に大まかでかまいませんので、いつごろ納骨式を行うかということを決めておくといいでしょう。一般的な流れで行うか、それとも葬儀後などの早い段階で行うのか、どちらかを漠然と決めておくだけでも、挨拶の内容の方向性が見えてきます。

納骨式挨拶の例文~忌明け後に行う場合

まずは一般的な流れである、忌明け後に納骨式を行った場合の例文です。

施主が行う場合の例文
「本日は皆様、お忙しい中、故・○○の納骨式にお越しいただき、誠にありがとうございました。おかげをもちまして、無事に納骨を済ませることができました。皆様には葬儀の日から今日までお力添えを頂きましたこと、心から御礼申し上げます。これからも私たち家族が力を合わせ、助け合って生きていくことが故人への供養であると思っておりますのでどうか今後とも、これまでと変わらぬご厚誼を頂きますようお願いいたします」

施主以外の方が行う場合の例文
「親族を代表いたしまして、施主に代わり一言ご挨拶申し上げます。本日はお忙しい中、故・○○の納骨式にご参列いただき、誠にありがとうございます。本来ならば施主○○が皆様にご挨拶を申し上げるところではございますが、○○○(施主の事情を簡単に)のため、ご了承頂きたく存じます。無事に納骨を済ませることができましたのも、皆様のおかげによるものです。どうか今後とも、施主をはじめ遺族、親族にこれまで同様のご厚誼を頂きますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。」

納骨式のあとに会食が控えている場合は、「ささやかではありますが会食の席を設けましたので、ともに故人を偲ぶ時間をお過ごしいただければと思います」というような一文を付け加えると丁寧になります。

納骨式挨拶の例文~葬儀告別式後に行う場合

納骨式を早い段階で行う場合は、可能であれば葬儀告別式の挨拶の際にその旨を織り込んでもいいでしょう。ただ、葬儀告別式には密葬・家族葬でなければ親族以外の人の参列もあります。その人たちに納骨式まで参列していただくということは非常にまれであると思われますので、納骨式を行うということを伝えるに止める方向での例文とします。また、納骨式を葬儀後に行う際は告別式の時間内で初七日・四十九日の法要読経も済ませていることが多いので、その旨を織り込むことを忘れないようにします。

施主(喪主)が行う場合の例文
「本日はお忙しい中、故・○○の葬儀告別式にご参列いただき、誠にありがとうございます。おかげをもちまして、葬儀告別式、ならびに初七日・四十九日法要を済ませることができました。皆様のこれまでのお力添えに、故人に代わり厚く御礼申し上げます。なお、本日はこの後、遺族・親族により納骨式を○○(墓園や寺院名)にて執り行います。どうかご参列の皆様はこの場にて最期のお見送りを頂きますよう、お願いいたします」

施主(喪主以外)が行う場合の例文
「私は故人の○○(続柄など)にあたりますが、喪主に代わりましてご挨拶申し上げます。本日はご多用中のところ、故○○の葬儀告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。おかげをもちまして葬儀告別の儀、並びに初七日・四十九日法要を滞りなく済ませることができました。皆様のご厚情に、故人もさぞ感謝しておることと存じます。故人に代わり、厚く御礼申し上げます。なお、本日はこの後、故人並びに遺族・親族の意志により、○○(墓園や寺院名)にて納骨式を執り行いますのでこの場にて最期のお見送りを頂きますようお願い申し上げます」

故人が彼岸へと旅立つために

先にも記しました通り、納骨式は故人がこの世(此岸)からあの世(彼岸)へと旅立つための儀式であり、残された遺族・親族にとってはある意味で本当のお別れともなる、大きな区切りの儀式です。

状況によっては受け入れられない儀式であることも事実ですが、故人を本当の意味で見送る意味を持つのが納骨式です。故人の声は直接は残された者には聞くことができません。その分、故人が思っていたであろう感謝の気持ちを、故人と一番近く長く過ごした施主、あるいは親族代表の人が、納骨式に足を運んでくれた皆さんに伝える必要があるのです。

例文を下地にし、故人とのことやこれまでのことなどあなたが皆さんに伝えたい言葉を乗せ、節目の儀式に際して故人の代弁者という形であなたの声で納骨式の挨拶を行って下さい。そして、挨拶をもってご自身がこれから前を向き、皆と一緒に悲しみを乗り越えるんだという気持ちを持って今後を生きて行って下さるようにと祈ります。