日本古来より継承される宗教には、大きく分けて仏教と神道があります。

大半のみなさんは仏式での参列マナーや焼香の作法についての知識はお持ちかと思います。

では、神道の葬式の特徴や、独自の作法をご存知でしょうか?ここでは、神式のお葬式に参列して戸惑うことのないように、神道のお葬式の特徴と参列方法についてご紹介します。

神道の葬式は、故人を家の守護神にする儀式

仏教での葬式は、故人を仏の待つ極楽浄土に送るための儀式とされています。

これに対し、神道式の葬式である「神葬祭」は、故人を極楽浄土に送るのではなく家に留めて守護神とするための儀式とされています。

なお、神道では死は穢れ(けがれ)であるとされていて、 神社のような神の聖域に穢れを持ち込むことはよくないとされ、神葬祭を神社で行うことはほとんどありません。


神式ではお焼香ではなく「玉串奉奠」を行う


仏式では、参列者はお焼香をしますが、神式では参列者は玉串と呼ばれる榊の枝葉をお供えして拝礼をします。
これを、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」といいます。

【玉串奉奠の順序】
  1. 神官に一礼し、神官(または係の人)から玉串を受け取る。その際、右手で根元を持ち、左手で葉を支え、胸の高さに持つ。
  2. 神官と遺族に一礼した後、玉串案(台)の前に進み2~3歩手前で止まる。
  3. 肘を張るようにして、両手で玉串を顔の前に掲げる。
  4. 玉串を胸の高さまでもどし、玉串案の前まで進む。
  5. 右手で持っている玉串の根元を手前にして自分側に向ける。
  6. 左手を下に、右手を上に持ち替える。
  7. 玉串を時計回りに180度回転させて、根元を祭壇側に向けて玉串案に置く。
  8. 正面を向いたまま一歩下がって二礼し、二回拍手(音を立てないように)を打って、一礼する。
  9. 正面を向いたまま2~3歩下がり、遺族に一礼、神官に一礼して終ります。


もし、玉串が用意されていない場合には、神前で「二例二拍手一礼」
(2回頭を下げ、胸の前で2回拍手し、1回頭を下げる)のみでかまいません。
※神葬祭での拍手(かしわで)は、「しのび手」といい、音を立てないように二度手を合わせてください。

そのほか、神葬祭で注意すること

形式が異なれば、覚えておくべきマナーや注意点も異なります。 神葬祭の参列で気になる疑問についていくつか挙げておきます。

  • 服装は喪服… 服装は仏式の場合と同じく喪服を着用します。
  • 数珠は使わない…数珠は元来僧侶がお経を読む際に数を数えるために使っていた仏具なので、神道には必要ありません。
  • 不祝儀袋の表書き…神道では水引は黒と白の結び切りの不祝儀袋です。ただし、蓮の花が描かれたものは避けましょう。 表書きは「御霊前・御神前・御玉串料」などが使われます。
  • 戒名ではなく諡(おくりな)を付ける…仏教では戒名がありますが、神道には戒名というものはなく、全員に諡というものが付けられます。
  • お線香や仏花を贈らない….神道の御供えものは、神饌(しんせん)、御饌(みけ)、御贄(みにえ)と言います。 米、酒、果物、お菓子、餅などを御供えします。
  • 弔意を表す際に「冥福」「成仏」「供養」という言葉は使わない…先述した通り、死に対する考え方が仏教と神道では異なるので仏教用語は使いません。神道では、「御霊のご平安をお祈りいたします」とご遺族に弔意の言葉をかけるようにしましょう。